読んだ感想!「ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の心理[第13版]」

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 投資系の本ではかなり有名な本書を読んでみました。今まで読んで無かったんかい!という感じではありますが、ようやく読みました。

 ということで感想等レビューしていきます。

この本のおすすめ度

 ひとまず投資を始めようと思っている投資初心者:★★☆☆☆

 一応投資自体はやってはいるが正直よくわかってはいない投資初級者:★★★★★

 投資にある程度慣れた中級者以上:★★★★★

読んだ感想

「素晴らしい」の一言につきます。さすが色んなところで名前を聞くだけはある本だなと思いました。

 まずは前段のおすすめ度の理由を述べてからどのへんが素晴らしいと思ったかについて感想として書いていこうと思います。

おすすめ度の理由

 本書の内容としては、投資に関するあれこれが書かれていて、どちらかというと投資全般の勉強に使える本という感じです。これから投資をはじめようと思っている初心者の方に手取り足取り手順等を教えてくれる類のものではありません。原著はアメリカ用にかかれているので制度的にも日本と異なる部分もあります。そういう点をふまえ、初心者向けとしては★2としました。

 とはいえ、投資に関してはかなり幅広く学べます。なので、投資についてざっくり勉強したい!という方にとっては一度は読んでおくと良い本かなと思います。初級者以上にはおすすめできると思ったので★5にしました。

素晴らしいと思った部分

 正直、本のタイトルからして「株価なんてランダムに動くんだからインデックス投資が最適解!それ以外考える必要なし!」みたいなスタンスの本かと思っていました。「敗者のゲーム」という本は結構そういうスタンスですよね。

 そういうスタンスも全然ありかとは思いますが、個人的には投資は世の中の仕組みとかを知れる良い入口だなと思っているので、それだけだと悲しいなと思っていたりもします。本書はインデクッス投資を最適解としつつ、別に個別で独自の投資をすることを否定なんかしないで投資を色んな切り口から書いてくれています。

 後の章に目次を載せていますが、第1部は読み物として面白いです。ファンダメンタル派とテクニカル(砂上の楼閣)派についてそれぞれそう思えるよねという部分とどうかなと思える部分を書いてくれていてとてもわかりやすいです。一応言葉の意味がわからないという方向けに書いておくと、ファンダメンタル派というのは、企業の業績やら財務状況とかを見てこの企業は価値がありそう!今後伸びそう!とかそういう分析をもとに投資判断をするものです。テクニカル派は、その会社がどんな状況で何をやっているのか知らんけど、価格がこんな風に動いているから買った方が良さそう売ったほうがよさそうという投資判断をするものですね。それだけ聞くと「普通ファンダメンタルで投資するのでは?」と思っちゃいそうですが、普段ネットとかで買い物するときにあんまり詳しく調べずにランキング上位のものをとりあえず買いませんか?と問われると「経験ある」と思う方は多いんじゃないでしょうか。たくさん買われているということはハズレではないでしょう的な感じです。これがテクニカル的な考え方であっておかしな考え方ではないと思います。

 第3章4章は過去のバブルについてもそれなりに詳しく書かれていて歴史を知ることができ、勉強になります。チューリップバブルを始め、イギリスの南海泡沫バブルなど読んでいくと、人って似たようなこと繰り返すんだなとしみじみ思ってしまいます。こういった知識があるとバブルっぽいものに出くわしたときに考えさせられるかもしれません。

 第3部からは現代ポートフォリオ理論についてざっくり学べます。そして第4部はそれまでのお話を踏まえ、どう投資していくのが良いかの指針を書いてくれています。

 前述の通り、本書は必ずしもインデックス投資を強く勧めるものではないです。その人その人の性格や状況に合わせて色々なやり方が考えられるよね、と暖かさを感じられる本でした。

本書の目次

第1部 株式と価値

 第1章 株式投資の二代流派ー「ファンダメンタル価値」学派 vs. 「砂上の楼閣」学派
 第2章 市場の狂気
 第3章 1960年代から90年代にかけてのバブル
 第4章 二一世紀は巨大なバブルで始まった

第2部 プロの投資家の成績表

 第5章 株価分析の2つの手法
 第6章 テクニカル戦略は儲かるか
 第7章 ファンダメンタル主義者のお手並み拝見

第3部 新しい投資テクノロジー

 第8章 新しいジョギング・シューズー現代ポートフォリオ理論
 第9章 リスクをとってリターンを高める
 第10章 行動ファイナンス学派の挑戦
 第11章 「スマート・ベータ」と「リスク・パリティー」ー新しいポートフォリオ構築方法

第4部 ウォール街の歩き方の手引

 第12章 財産の健康管理のための一〇カ条
 第13章 インフレと金融資産のリターン
 第14章 投資家のライフサイクルと投資戦略
 第15章 ウォール街に打ち勝つための三つのアプローチ

さいごに

 本当にいい本だなと思いました。やや難しい内容もあるかもしれませんが、そういった箇所は色んな本を読んでいった後でもう一度この本に帰ってきて読み直してみるとかでもいいかなと思います。あとで私も何度も読み返したいなと思っています。

 本のボリュームはとてもあります。読むのにすごく時間がかかりますが、投資に触れていくにあたってこういう考え方が世の中にあるんだな、とこの本を読むだけでざっくり知れるオススメの一冊です。

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