「占い=非科学的で怪しく、当たるものではない」と私は思っていました。このように考えている方は多いと思います。これを毛嫌いするかエンタメとして捉えるかは人それぞれかと思いますが。
私は今でもそうなのですが「占いで当たる訳ないじゃん」と思っています(もちろんバーナム効果やコールドリーディングという意味では当てられるとは思います)。そういう思いから、占いに対しては忌避していました。
しかしながら、今では考えを改め、占いの勉強をしています。
いったいどういうことなのか、お話していこうと思います。
動画でも話をしているのでそちらもみてみてください。
動画
占いに対する一般的な認識
日常で占いに触れる場面と一般的な占いに対するイメージ
占いといって思い浮かぶもので一番多いのが、テレビや雑誌の星占いコーナーでしょうか。「今日の運勢一位の星座は蟹座♋のあなた!最下位は獅子座♌のあなた!」みたいな感じのものです。また、占いかと言われると若干微妙かもしれませんが、おみくじなんかも近いかもしれません。血液型占いといったものもありますかね。あれはどちらかというと性格診断みたいなもののほうが近いかもしれません。生年月日で相性占いなんかもありますね。
いずれにせよ、一般的な占いに対するイメージは上記のような感じだと思います。
怒られるかもしれませんが、言ってしまえばエンタメのようなものかと思います。そう捉えてらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
こういう占いもある
一般的に知られているのは前述のようなエンタメ的な占いですが、世の中にはしっかりと悩み相談をする占いというものが行われています。
占いの館的なところで行われていたり、電話占いだったり、チャット占いのようなものです。ココナラやメルカリといったところでもそういう占いは売られています。
このようなところでは、それなりのお金を支払って真剣な悩みが相談されています。

付き合っている彼が既婚者なのですが、いつまでも離婚してくれません。私はどうしたらいいでしょうか?

結婚したいのですが出会いがありません。私はいつ結婚できるのでしょうか。

今の仕事が辛くて転職か独立しようと思っています。仕事を辞めるべきでしょうか?また、私はどんな仕事が向いているのでしょうか?
結構重たいお悩みですよね。文章だけだと伝わらないかもしれないですが、本気で辛くて悩んでいて藁にも縋る思いで占いに来るのです。
こんな占いの現場もあるということをここでは言いたかったのです。
占いでどういったことが行われているのか
後述するように全てではないですが、以下のように当てる類の占いが行われていることがあります。

付き合っている彼が既婚者なのですが、いつまでも離婚してくれません。私はどうしたらいいでしょうか?

彼の気持ちを占ってみます
……
彼はどうやら離婚する気など無いようです。
あなたの将来の恋愛についても占ってみましょう。
……
来年の夏頃にいい出会いがあるみたいね。
今の彼とは別れたほうがいいでしょう。
彼の気持ちを見たり、将来の様子を見ています。他人の気持ちや未来を当てに行っているという感じです。
最初の方で話をした「一般的な占いのイメージ」からすると違和感は無いと思います。
第三者視点から客観的に見ると「なんでそんなことわかるねん!」と思うかと思います。ここに当てる系占いの辛い部分があると思います。こういう点からも「占い=怪しい」というイメージがあるかもしれません。
当てる系占いに対する問題提起
前述のように多くの方は「なんでそんなことわかるねん!」と思われるかと思います。私もそう思います。
ただ、仮に不思議な力を持っていて当てられるとしましょう。その場合でも次のような問題点が浮かび上がってきます。
問題点1 : 未来が決まっていることに対する今の無意味感
未来を当てられるとします。当てられるということは未来が決まっていることになります。決まっていたら今自分がやることなすこと全て無意味な気がしてきませんか?何をしてもそういう未来になるということなのですから。
受験なんかはわかりやすいです。合格する未来があるならつらい思いをして勉強しなくなると思います。(勉強が好きな方は勉強するでしょうけど……)
そう考えると未来が当てられる→決まっている、というのは悲しい気分になってくると思います。いい未来ならまだしも悪い未来だったらもう絶望です。
ちなみに当てられる未来はあります。次はいつ満月になるか?といった、物理法則等の経験則なんかで予測するものですね。
余談ですが、マネジメントで有名な「ピーター・ドラッカー」さんは未来を知る方法が2つあると言っています。一つは先程のように既に起こったものから帰結を見るもの。もう一つは自分で創り上げること。
問題点2:人から気持ちを読まれるのに抵抗感
人の気持ちを当てる場合、自分が相手の気持ちを読むならなんとも思わないかもしれませんが、他人が自分の心の中を覗いてくると思うと結構抵抗を感じるのではないでしょうか。勝手に覗き見ないでよ!となると思います。
そもそも根本解決にならない
問題点を2つ挙げましたが、そもそも未来がわかったり人の気持ちがわかったところで悩みの根本解決にならないことが多いと思います。
私の占いに対するスタンス
それでは占いは全く役に立たないのでしょうか?
私は占いをこういう風に捉えています。
気付きや新しい視点を与えてくれるツール
悩みというのは、悩んでいる本人もどうしたらわからない状態だと思います。そういうときに占いによって新しい視点で悩みを見ることで気づきが得られ、問題に対する捉え方が変わって悩みが緩和されたりする場合があります。
どんな感じか、タロットで占う想定で具体的な実例を挙げます。
実例

仕事がうまくいっていなくて悩んでいます。仕事について占ってくれないでしょうか?

わかりました。タロットで占ってみますね。
…
「皇帝」のカードが出ました。


それはどういう意味なんですか?

皇帝というのは国のトップです。いろんなことを決めなければなりません。
時には部下や国民からたくさんの意見や要望が来るでしょう。
そういういった意見や要望を聞きながらどうするか決断を下す必要があります。
国の未来は決まっていません。色んな可能性に満ちあふれています。
どの可能性に進むかは皇帝が決めたことで方向性が決まります。
こっちに進むんだ!と自分で決めて、やるぞと決断をするということですね。

なるほど……
実はですね、今上司の指示とお客さんの要望で板挟みになっていたんですよ。
上司が言ったことをお客さんに伝えて、お客さんが言ったことを上司に伝えてと伝書鳩みたいなことやっていました。上司には「お客さんを説得してこい!」と怒られて、お客さんには「そんな条件飲めるわけねえだろ!」って怒られて辛かったんです。。
今の皇帝のお話を聞いて、自社の状況とお客さんの状況がわかる私自身が「こうした方が良い!」というものを上司とお客さんに話を通してやれば良かったなと思いました。
実は薄々「こうした方がいいんじゃないかなあ」と思っていたものがあったんですよね。
ちょっと頑張ってみようと思います!
話が伝わるようにだいぶ都合が良いように盛っていますがこのような感じです。少しカウンセリングやコーチングに近いかもしれません。そして何も当てていないです。悩んでいる内容に対して別の視点を与えています。この実例ですと、上司やお客さんが言ったことをしっかりこなさなきゃ!ということでこのような悩みが生じていますが、そこから自分がやるという気持ちで方向づけしてあげてみては?という視点を与えることで前に進めるようになりました。もちろん全てが全てそうなるわけではないですが、占い結果から何か気付ける視点はないかという参考の種にはなると思います。
一方、当てる系のやり方ですと、「皇帝」のカードが出たら「仕事で成功する、出世できる」といった内容を伝えることになると思います。そう考えると、実例で出したような占い方の方が健全のような感じがするのではないかなと思います。
実際、こういうスタンスで占いをやられている方は一定数います。なんなら、占いといいつつ、相談者の話を聞くだけ聞いて占いせずに気持ちを楽にしている占い師さんもいらっしゃいます。
占いの世界にそういう世界観のものがあるんだ!と知り、私は占いの勉強をするようになりました。
さいごに
一番伝えたかったことは以上になります。私の占いに対するスタンスがなんとなくわかりましたでしょうか?
完全に当てる系占いを否定するつもりはありません。私もそれが適しているかなと思ったらそうすることもあります。楽しい雑談なんかをやっているときに「なんか占ってよー」と言われた時にガチなお悩み相談してもな……となると思いますし。あと、「良いことあるから元気だして!」みたいな感じでいい未来を言うというのも理解できます。
ということで、本記事は一旦以上になります。
余白
他にも色々伝えたいことはあるので、以下の余白に、伝わらないことは承知で興味の入口にでもなればという思いでつらつらと書いておきます。
タロットは結構面白いです。カバラの生命の木と関連させていくと、哲学的な考え方と関連する部分があります。デリダの脱構築だったり、二項対立だったり、カントの経験に先立つ概念であったり。心理学の面でユングやフロイトが無意識に着目したように、普段無意識的にやってしまっていることへの教訓めいたものも考え方の視点をくれます。(※少し私の解釈・関連付けがあるかもしれません)
面白いですよ。
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